「あとでカレンダーに入れよう」
子どもの学校のプリント、地域のイベントチラシ、病院の予約票。写真だけ撮って、そのままスマホのカメラロールに眠っていませんか? 自分もそうでした。気づいたらイベント当日、なんてことが何度もあった。
だったら、写真を撮ってLINEで送るだけで自動的にGoogleカレンダーに登録される仕組みがあればいいじゃないか。そう思って、実際に作ってみました。
何ができるようになったか
ユーザーがやるのは1つだけ。LINEでチラシの写真を送る。それだけで、裏側でAIが画像を解析し、イベント名・日時・場所・持ち物や注意事項といった情報を自動で抽出して、Googleカレンダーに登録してくれます。
実際にテストで子どもイベントのチラシを送ったところ、以下の情報が自動抽出されました。
イベント名:もりやま子どもイベント祭
日時:2026年5月5日 午前10時〜午後4時
場所:ふれあい公園 森山市中央 1-2-3
補足情報:入場無料、物作りワークショップとミニ運動会は事前予約が必要、ヨーヨーつり・スーパーボールすくい・かき氷の出店あり、問い合わせは森山市子ども会連合会、公園駐車場20台、電車の場合は森山駅から徒歩5分
これが全部、手入力ゼロで完了します。
技術的な構成
使用したのはMake(旧Integromat)というノーコード自動化プラットフォームです。コードは一切書いていません。
フローの構成は以下の6ステップです。
Step 1 — LINE Watch Events
LINEでメッセージ(画像)を受信。
Step 2 — LINE Download Attachment
画像データをダウンロード。
Step 3 — HTTP(1つ目)
Gemini Files APIに画像をアップロード。
Step 4 — HTTP(2つ目)
アップロードしたファイルのURIを使い、Gemini 2.5 Flashに画像解析を依頼。「イベント名・日時・場所・補足情報をJSON形式で返せ」というプロンプトを送信。
Step 5 — JSON Parse
Geminiの返答(JSON文字列)を構造化データに変換。
Step 6 — Google Calendar Create an Event
解析結果をカレンダーに登録。
AI部分にはGoogleのGemini 2.5 Flash(無料枠)を使っています。画像解析の精度は実用レベルで、手書きっぽいチラシでもかなり正確に読み取ってくれました。
一番ハマったポイント
正直に書くと、AI(Gemini API)への画像の渡し方で丸1日ハマりました。
試行錯誤1:base64埋め込み
HTTPモジュールのJSON文字列の中にbase64エンコードした画像を直接埋め込む方法。しかしMakeの内部処理で改行コードが混入し、JSONが壊れるエラーが連発。
試行錯誤2:GoogleドライブURL
Googleドライブにアップロードした画像のURLをGeminiに渡す方法。しかしGemini APIのfile_dataフィールドはgs://形式(Google Cloud Storage)のURIしか受け付けず、GoogleドライブのURLは使えなかった。
試行錯誤3:Makeネイティブモジュール
MakeのGoogle Gemini AIモジュールも試したが、File URIフィールドにバイナリデータを入れても「Unsupported file URI type」、GoogleドライブのURLを入れても「Unsupported url」とエラー。
最終的にたどり着いた正解は、Gemini Files APIを使った2ステップ方式でした。
ステップ1:HTTPモジュールでGemini Files APIのエンドポイントにContent-Typeをimage/jpegに設定して画像バイナリを直接POSTする。これでGemini側にファイルがアップロードされ、file URIが返ってくる。
ステップ2:返ってきたfile URIを使って、別のHTTPモジュールからgenerateContentエンドポイントを呼び出す。
この構成にしたことで、base64の改行問題もGoogleドライブのURL問題も完全に回避できました。
もう1つのハマりポイント:モデル名
Gemini 2.0 Flashは2026年3月3日に廃止されていました。それを知らずにgemini-2.0-flashやgemini-2.0-flash-liteを指定して404エラーを連発。現在の正しいモデル名はgemini-2.5-flashです。Gemini APIを使う場合は、公式のモデルページで最新のモデル名を必ず確認してください。
この仕組みの応用先
今回は「チラシ→カレンダー登録」でしたが、やっていることの本質は「紙の情報をAIで読み取り、デジタルデータに変換して、別のサービスに自動登録する」というパターンです。
これはそのまま以下のような用途に応用できます。
- 請求書の写真をLINEで送る→金額・日付・取引先を読み取り→スプレッドシートに自動記録
- 名刺の写真を送る→名前・会社名・連絡先を抽出→CRMや連絡先に自動登録
- レシートの写真を送る→金額・カテゴリを分類→家計簿アプリやスプレッドシートに記録
どれも構成はほぼ同じで、AI解析のプロンプトと出力先を変えるだけです。
今後について
BELLA TECHでは、この「AI×自動化」の仕組みを使って、中小企業や個人事業主の方の業務効率化を支援していきます。
毎日同じ作業を手でやっている、紙の情報をいちいちPCに打ち直している、そんな業務があれば、ほぼ確実に自動化できます。
次回は請求書の自動読み取りか、LINE予約受付→カレンダー登録→前日リマインド自動送信の仕組みを作る予定です。
「こういう作業、自動化できない?」という相談があれば、お気軽にお問い合わせください。
